太もずく試食他

まず昨日の話ですが、珍しくスタッフ二人が休みだったので、僕一人体制でした。

そんな時悩むのがお昼。

簡単にラーメンとかで済ますことが多いけど、食べている最中にお客さんが来られると麺が伸びてしまう。

なので、サンプルのふりかけ食べ比べを兼ねて3色ご飯を作っておきました。

これならいつでも食べられる。

それと、まだ試食していなかった新商品の沖縄太もずく。

同じ沖縄でもいつも販売しているのと違う印象。

もずくのお吸い物にして食べました。

ぬめりを感じる食味で、これはこれで美味しいです。

でも、太もずくってほど太くはないかな。

しばらくは併売してみます。

ちなみに、いつもの太もずくの新物の入荷が5月になります。

 

そして今日、化粧品の話です。

先日化粧品のサンプルをもらっていたので試してみました

化粧水と乳液とスキンケアクリームの3種。

何がどうなのか全然分からないので、うっちーに教えてもらいながら順番に塗っていきます。

最初はバカ殿みたいに白くなってどうしようと思ったけど、徐々に馴染んできました。

うっちー曰く「結構伸びますね」と。

正直なところ、日頃化粧をする習慣がなく、スキンケアには縁が無いのでよく分かりません。

かなりナチュラルな化粧品で、一つの特徴は水で落とせるそうです。

いずれにせよ、女性は大変ですね。

塗る前に写真を撮っておけばよかったですが、撮り忘れたので洗った後の写真。

「やっぱり少し違いますね」とうっちー。

「そう?」

商品の詳しい情報をもう少し勉強してから品揃えを検討します。

ちなみに、事前に絹子とうっちーに使ってもらいましたが「結構いいんじゃない?」「割りといいと思います」との感想でした。

店の話とは全然関係ないですが、若い頃毎月買っていたバイク雑誌。

捨てるに捨てられなくてずっと置きっぱなしでした。

先日、高知のライダー向けの宿に泊まった時、オーナーさんとそんな話題になり「いらないなら欲しいです」とのこと。

「かなりの古本ですが、それでよければ助かります」

「着払いでいいので、お願いします」

という訳で発送の準備。

大量にあるので汚すぎるのは廃棄して、割りときれいなのを選んで段ボール箱に入れます。

それでも数十冊。

ついつい立ち読み。

懐かし~!

あの頃、夢中になって読んだな~。

僕に限らず、同世代のライダーは皆同じはず。

いい時代でした。

サービスでこの本も一緒に送ってあげよう。

バイク雑誌は宿に泊まった人用に使いたいみたいで、多分僕世代のライダーは懐かしがって喜ぶんじゃないかな。

 

お知らせです。

今月のフレスコ便りに書きましたが、宇野さんが15周年記念で臨時でお話会をやってくれることになりました。

今、詳しいことを詰めていますが、27日(土)の午後が有力です。

詳細が決まりましたら改めてお知らせします。

 

黄色いカブで行く四国+しまなみ物語4

朝、6時起床。

ピーピー、チュンチュン、ホーホケキョ。

鳥の声が目覚まし時計。

山に響き心地よい。

「では行きます」

「機会があればまた来て下さい。正ちゃんによろしく」

「了解です。ありがとうございました」

 

昨年の展示会でお会いして、美味しい野菜を送ってくれる。

ベテランの桐島さん。

「おはようございます!」

「どうぞ」

「お世話になります」

ちょうど出荷作業の最中。

「新玉ねぎです」

「こぶ高菜」

「へー、初めて聞いた。美味しそうですね」

「こぶが特徴で。美味しいですよ」

「畑、近くなので案内します」

「よろしくお願いします」

「畑はこのあたり一箇所にまとめています。散らばっていると効率が悪いんで」

多品目を少しずつ入れ替えながら栽培するのが桐島さんのやり方。

「色んな方法があるけど、私にはこれがいいかな」

「そろそろ植え替えで、忙しくなります」

「これはにんにく」

「にんにく?」

「この辺は葉っぱを食べる習慣があるんです」

「これはこのまま放っておくとにんにくできるんですか?」

「もちろん。ただ品種は違って、これは葉を食べる品種です」

かじってみると、かなりにんにくの香り。

甘みも感じるし、これは美味しい。

「ここがマスタードです。菜の花、これは栽培は楽なんですよ。放っておけば育つ。ただ、それからが大変なんです。種を採って加工品にするまでが」

「あのマスタードは美味しいですね。でも本当に手間暇かかりそう」

「私が品種改良したんです。基本的に野菜の種は取りますので」

「自家採種ですか。なかなかできないですよね」

「今度、和辛子もやってみます」

「それは楽しみです」

「どうなんでしょうか。今後の有機農業は」

「この辺は有機やってる人が多くて、かなりの野菜が出来ています。もしかしたら需要より供給の方が多いかも知れません」

「それは素晴らしい。でも全国的にはどうなんでしょうか。なかなか広がらない印象はありますが」

「ここにきて国が力を入れ始めているので、少しずつは変わっていくんじゃないかな。新規で就農する人も増えるだろうし」

「でも辞めてしまう人も多いと聞きます」

「そうなんです。一つはお金。お金が尽きて辞めてしまう。そこは助成してやるべきだと思います。あとは技術。若い人は技術がない。だから私は若い人を育てたいと思っているんです。クワも使えないで農業している人もいるんです」

「そうなんですか。そう言えば、展示会の時に一緒にいた女性の方は?」

「あの娘はちょうど1週間前に独立したんです。少し離れたところで農家やってますよ。元々東京出身で。うちに2年いたかな。独立した時、クワをプレゼントしました」

「そうですか。よろしく言って下さい。いい野菜が出来たらうちでもやりますよ」

「それは助かります。若い人は売り先なんですよ。そこを見つけるまでが大変」

「うちも若い農家さんは応援したいと思っています」

「にんにく、持っていってください。飛行機ですよね。匂い出ないようにしっかり巻いておきます」

「ありがとうございます。楽しみ」

「私が農業を始めたのは30数年前ですが、桐島畑としてやり始めたのは2011年で。その時の看板です」

「ずいぶん長くされているんですね。大ベテランですね。そう言えばハマヤさんのところの農家さんも教えているみたいですね」

「たまに見に行ってますよ。あそこはこれから伸びるんじゃないかな」

「桐島さん、ありがとうございました。会えてよかったです」

「こちらこそ。今後ともよろしくお願いします」

昨年の展示会で出会った時に感じた通り、素晴らしい生産者さんだった。

いい意味で対照的。

貝原さんが期待の星なら、桐島さんはいぶし銀。

皆、輝くものを持っている。

改めて出会いに感謝。

 

目的だった3箇所の生産者さん訪問を無事終え、あとは自分の時間。

と言っても、昼過ぎには松山に戻らなくてはいけない。

予想通りだけど、結構キツキツのスケジュール。

国道を外れ、山道を行く。

見たかった沈下橋。

この辺では普通に見られる橋で、地元の人は日常的にに使っているそう。

でも、ちょっと怖い。

黄色いカブと清流四万十川。

黄色いカブと沈下橋。

最高!

四国としまなみ。

前半は天気が悪かったけど、すごく充実した3日間。

皆さんに会えて本当によかった。

カブで走れて本当に楽しかった。

仕事兼バイク旅、今の僕には一番かな。

また次の機会に…。

 

終わり

 

 

125ccのカブの感想。

町中はもちろん、郊外でも法定速度+αで走るには十分だった。

長い登り坂や山道ではやや苦しい場面もあったけど、ギアを落とせばそれなりにがんばってくれる。

ホンダが誇る名車カブ、納得。

あと、小さいってすごくいい。

ゆっくり走っているから見える景色もある。

小回りが効くし、すぐ止まれるし、普段重くて大きいバイクに乗ってるから余計に感じる。

今回の走行距離522km、ガソリン9L。

燃費、計算してびっくりの58km/L!

山道が多くて、結構エンジン回して走っていたのにこの燃費。

カブ、すげー!

 

今月はフレスコクイズ

毎年恒例になりましたフレスコクイズ。

応募者全員に素敵な商品プレゼント!

今年は15周年記念ということで、お買い物割引券も付けちゃいます!

高得点者の方には加藤さんのお米や竹塩石鹸等豪華な賞品。

そうでない方にも嬉しいプレゼント。

参加人数にもよりますが、チョコレートは全員にお渡しできるかも?

レジ前に置いてあるフレスコ便りの今月号に挟んであるフレスコクイズの用紙。

四択なのでどれかに丸をしてスタッフにお渡し下さい。

がんばる方はがんばって、そうじゃない方はテキトーに。

全然OKです。

締め切り5月1日(水)です。

ヒントの半分は過去のフレスコ便り。

店の入口にバックナンバー置いてあるのでご自由にどうぞお持ち下さい。

残りの半分の店内から。

宝探しゲームのつもりで楽しんで頂けたらと思っています。

今月は、芋モンブランも予約受付しています。

「また食べたい!」との多くの声があり、再予約です。

皆様のご応募、ご予約、お待ちしております。

 

黄色いカブで行く四国+しまなみ物語3

今日は300キロ走らなくてはいけない予定。

朝6時起床。

出発前にお寺に寄ってみたけど、本堂はまだ閉まっていて、門まで。

島のお寺。

雰囲気はすごくいいけど、今日も雨。

国産レモン発祥の地の碑。

遠くに橋。

せっかくだからと展望台へ。

瀬戸内の島々。

晴れていたら絶景だろうなあ。

今治から愛媛に戻り高知へ向かう。

相変わらず雨。

冷え切った体。

寒い…。

愛媛だけど讃岐うどんの店があったので思わず入店。

コシのある麺、だしの効いた澄んだスープ、美味い。

無料でトッピングするわかめとネギも美味しい。

うどんは中盛りにしてかなりのボリュームだし、天ぷら付けても600円くらいだったから安い。

それに温かくて、今はそれが何より体に嬉しい。

中国山地を超え、高知県に入ると一気に天気回復。

「青空だよ~」

川沿いを走り南下。

やっと気分も乗ってくる。

が、今度はすごい強風。

軽量なバイクが風に煽られかなり気を使う。

そして…。

太平洋~!

来たぜよ、桂浜!

会いたかったぜよ!坂本龍馬!

龍馬像はかなり高くて、右は期間限定で像の真横で見られる簡易的な建物。

必要か?これ。

上るの有料だし。

ちょっと邪魔。

ちなみに、ここ桂浜に来たのは2回目で、最初は19歳の時。

あれから…。

うーん…、月日が流れるのは早い。

 

さて、鰹のわら焼きでお世話になっているハマヤさん。

桂浜のすぐ近くにある会社。

「ようこそ」

「いらっしゃいませ」

出迎えてくれたのは伊与木さんと弘瀬さん。

明るいお二人。

雑談を交え商談。

一応お仕事なんで。

「写真撮ってもいいですか?仕事してる証拠を」

「どうぞ、どうぞ」

今後の商品開発等で色々お話ができ、一定の成果。

ハマヤさんでは農産物にも力を入れていて、四万十を中心にした有機野菜の農家さんを集め業務拡大を図っているところ。

昨年の展示会で頂いたお野菜の感想や希望などもお伝え。

僕らからするとまだの部分もあるけど、今後に期待したいところ。

 

そして、今回の目的の一つ、鰹のわら焼きを見ること。

「どうぞこちらです」

職人さんが切った鰹を乗せる。

わらに火を付ける。

一気に燃え上がる炎に鰹を焚べて燻す。

3面あってその都度その作業を繰り返す。

その後、水で余計な煤を洗い落とし、水分を取り除いたあと冷凍。

こうしてあの美味しい鰹のわら焼きができるのだが、わらにもこだわりあり。

「四国産?」

「いえ、四万十産です」

「こだわってますね」

「わらは米農家さんに無理にお願いして分けてもらっています。年間のわら代もバカにならないです。同業者では中国産を使っているところもあるけど、わらによって風味も違ってくるんです。それに龍馬タタキですから」

「なるほど」

そうそう、わら焼きの作業は朝から午前にほぼ終わってしまうそうで、この日は僕のために特別に残ってくれたとか。

ありがとうございました。

本当に貴重なものを見せていただき、貴重な話もできて、本当に良かった。

今後ともどうぞよろしくお願いします。

「そういえば、次は桐島さんのところですか?」

「そうです。今日四万十の方に移動して明日。桐島さん、ご存知ですか?」

「うちの農家さんの指導をお願いしているのが桐島さんです」

「え~!つながってるんですね。びっくり」

「本当にいい人で、それが顔にも出てますよね」

「そう思います」

桐島さんに会うのが楽しみ。

 

四万十へ向けて出発。

途中、ハマヤさんが運営するスーパーで買い出し。

四万十川沿いを走る。

今日の宿、ライダーズイン。

バイク乗りのための宿。

簡易的な室内だが、一部屋ずつ入口にバイクが止められる。

ここも若い頃一度泊まったことがある。

ちなみに、桐島さん宅まで数分の場所。

今日の宿泊者は僕一人。

ということで、宿のオーナーさんと2人で飲むことになった。

実はハマヤさんから「夜食べて下さい」とお土産にもらってきた鰹のタタキと猪のタタキ龍馬ジビエ。

「頂いてきたので一緒に食べましょう」

「いいですね。いっぱいやりますか」

オーナーさんが切ってくれました。

一番美味しい鰹のたたきは塩わさびが最高。

結構豪快に切ってくれた猪のわら焼き。

オーナーさん提供のお野菜各種。

「全部この辺の農家が無農薬で栽培したものです」

「おっ、こだわりあるんですね」

「この辺は有機農家が多いし、知り合いも多いんですよ」

「この近くにお住まいで?近くの桐島さんってご存知です?」

「そこの農家さんの?ああ、正ちゃんでしょ。友だちですよ」

「そうなんですか!明日会うんですよ」

オーナーさん、有機農業や無添加食品にも詳しくて、当然話が盛り上がる。

「農産物について、こう思うんですよ」

「ですね。業界の将来を考えると僕の考えは」

「なるほど。確かにそれはある」

「まあ、この仕事も理解してもらうのが大変ですよ」

今日のお酒、僕が買ってきた土佐の地酒。

オーナーさん提供の栗の焼酎。

「栗の焼酎とは珍しいですね。初めてです」

「焼酎はこれに決めています。美味しいんですよ。まあ、ロックでどうぞ」

栗の味がするわけじゃないけど、香りもよくてなかなかの美酒。

美味しい。

「やけに豪華な食事になっちゃいましたね」

「どれも美味しいですよ」

飲みながら話したことを記憶している限りで並べると、宿の運営、旅人との出会い、鮎釣りの極意、サクラマスの生態、等々。

(それぞれ面白い話なので書きたいけど長くなるので割愛)

人と話していて楽しいのはイーブン、つまり5対5で話せる場合。

一方的に話す人がいるけど、それは聞いているだけで疲れる。

今日は楽しかったな。

色々聞けて、色々話せて。

電電公社で督促係をやっていたというオーナーさん。

「自分は退職組だけど、こうしてお客さんと話すのが楽しいんですよ。全国から色んな人が来て話してくれる。宿やってると遠くに行けないけど、こうして話して、色々行った気持ちにもなれるし」

「いいですね」

最後は「えっ、独身なの?なんで?」

「なんでって、まあ、よく聞かれるけど、なんというか…、タイミングとかですかね」

「一度は結婚した方がいいですよ。絶対に」

「まあ、そうですねえ。なかなかね」

「誰かいないの?バツイチでもいいじゃないですか。自分もバツイチなんで」

「そういう問題でもない気が…」

なんて話をしていると「あれ、もう11時だ。どうします?」

「えっ!もうこんな時間!寝ましょう。明日早いんで」

「そうですか。明日見送りしますんで」

最後に記念写真ね。

楽しい時間をありがとうございました。

 

そう言えば、朝から300キロ走って、ちょっと疲れたかな。

でも楽しい一日。

明日、早くも最終日。

 

続く

黄色いカブで行く四国+しまなみ物語2

「こんにちは!」

「はじめまして」

今回会う最初の生産者さんは広島高根島で柑橘を栽培する貝原さん。

昨年からのお付き合いだが、信頼の置ける生産者と見込んで、一度会ってみたかった。

「汚い軽トラですみません。島をご案内します」

「汚い軽トラは慣れてるから。よろしく」

橋を渡り隣の生口島から高根島へ。

「僕が生まれた時にはもうこの橋はできていました」

時期的に木になっている柑橘の収穫はほぼ終わり、島中に点在する畑を見せてもらうことに。

広さにして東京ドームの半分の畑に1500本位の木々があるそう。

「従業員は?」

「僕一人です」

「一人!?それって大変でしょ!」

「大変ですね。あとは奥さんが販売の方を手伝ってくれます。もう奥さん無しではダメです。別れられないですよ」

「最初は、いいものを作れば売れると思っていたけど、全然。泣く泣く廃棄したり」

「結局売り先なんだよね。特に若い農家さんは」

「農協とかにみかん卸しても、1箱150円とかなんです。それじゃ農家もやる気が起きないですよ。だから本当に美味しいものを作って自分で売っていきたいです」

「土作りは?」

「特にやっていません。ここは元の土がいいんです。島でも農薬や除草剤を使っている農家さんもいて、そういうみかんは味が薄いですよね。土もダメにするし。それが海に注がれて汚してしまうんです」

小さい島だけど、場所によって水はけや日当たりや気温が異なり、それに合わせてみかんやレモンなど適地を考え、木を植えているそう。

「ヤギ飼ってるんだ」

「あっ、近づかない方がいいですよ。そいつ凶暴なんで」

元々は馬が好きで、畜産の学校に進んだとか。

その後、ワーキングホリデーでオーストラリアに2年間農業の仕事、帰国後造船の仕事を2年、その後に自分で農業を始めたそう。

この島の産業は農業、観光、造船だとか。

「その先が呉です」

呉と言えば戦艦大和を作った場所。

「なんでこの辺は造船が盛んなの?」

「海が静かで波がないからだと思います」

「なるほどね~」

「ところで、ヤギ飼ってるけど、好きな馬は飼わないの?」

「島に獣医がいないんです。ヤギは勝手に育つけど、馬は診てもらわないとダメなんです」

「そうなんだ」

「あそこの土が出ているところ、全部猪が掘り返した場所です。もう猪の被害がひどくて」

「そんなにいるの?」

「最初は山の上だけだったのに、下の方に降りてきて、柑橘を食べてしまって」

「無農薬の美味しい作物だけ食べるってパターンでしょ」

「そうなんです」

「どこの農家さんも一緒だね」

「穀物を食べている猪より、柑橘を食べている猪の方が臭みがなくて美味しんですよ。僕も畑で罠を仕掛けて獲った猪をさばいて食べるんですけど、めちゃくちゃ美味いですよ」

「そんなに美味いんだ」

「特に背中のたてがみのあたりが美味しくて、奥さんも大好きです。誕生日には猪が食べたいとか言うし」

「ほう。それは食べてみたいなあ。今度穫れたら送ってよ」

「大丈夫なんですかね、許可とか。猪をさばく許可は持ってますが」

「その辺はよく分からないけど。俺たちが食べるんだからいいんじゃない?」

「ここの畑は僕が一番好きなところで。晴れてると海がきれいですよ。虹色になったり」

「晴れてる日に来たかったね」

「奥さんにプロポーズしたのもここです」

「そうかあ。それじゃあ記念の場所で記念写真撮ろうか」

「はい」

「来て良かった。今後ともよろしく」

「こちらこそよろしくお願いします」

「そうそう、ジュースもめちゃくちゃ美味しかったよ。好評だったけど無くなるの早かったね」

「来年は量を増やします」

「来年はうちでフレスコオリジナルラベル作ろうかな」

「いいですね」

「また楽しみにしているよ」

「これ、お土産にどうぞ」

「嬉しい♪ありがとう」

貝原さん、今年で6年目でまだ若いけど考え方もしっかりしていて、将来有望な農家さん。

会いに来て良かった。

町に戻ってうろうろしていると、柑橘があちこちで売られている。

自動販売機でも売られている。

さすが柑橘の島だ。

 

夜は一人で飲みに行く。

貝原さんも誘ったけど「今日は島の消防団の集まりがあって」

「それは残念」

「そんな集まりばっかりですよ。島だから仕方ないけど、大変な役回りばかり任されて。農家が暇って間違った感覚があるみたいで」

「どこもそうみたいだね」

結局、お好み焼き屋へ。

広島風を食べてみたかったのもあるけど、やっている店がここしかない。

居酒屋兼酒屋で、お酒はお店で販売しているそのままの値段。

安くていい。

魚の天ぷらって書いてあったから頼んだら、かなりイメージと違った。

素揚げ?

美味しかったけど。

家族経営のようで、お母さんと息子さん、お父さんはお皿の片付け。

息子さんはがんばっていたけど、極度の口下手って感じ。

それでも最近多いという外国人のお客さんにも、がんばって接客していた。

圧巻だったのはお母さんの接客。

常連の方らしい服とお化粧かなり派手な74歳女性「この店、私の故郷みたいよ!ね~、そう思うでしょ!」ビールの大瓶2本と焼酎飲んで酔っ払ったおばさまを丁重に見送り。

サイクリストっぽい高齢者の集団「さっき電話しただろ。席は?」「こっちは豚天でそっちは海鮮だって。全部で8人。なんで10枚なんだよ」と注文もよく分からない人たちにも落ち着いて笑顔で的確に処理。

外国人にも一言二言の英語で上手に対応。

忙しい中での電話対応もスムーズ。

時折僕にも話しかけてくれたり。

なんか高級料亭の気が利くベテランの女将さんみたい。

(行ったことないから分からないけど)

表情だけの笑顔ではなく心からの笑顔を感じたし、誰もが心地よく食べて飲める。

ちなみに息子さんは5人組の外国人相手に「あ~、ノーミート。え~と、オクトパス!」とがんばっていた。

そんな様子を見ながら飲んで、ちょっと楽しかった。

思わず帰りに「お母さん、接客素晴らしいですね」と声をかける。

「まあ、そんな風に褒めてもらって」

「僕も接客やってるんで見習いたいです」

「もう70過ぎているんですよ。今日は騒がしくてごめんなさいね」

「いや、すごく楽しかったですよ」

「気を付けて帰ってくださいね」

「ごちそうさまです」

宿に戻って地元産のレモンチューハイ。

思えば、朝は5時起きで、成田まで行って、飛行機に乗って、雨の中バイクで走って、かなり忙しいスケジュールだった。

一気に眠気。

22時就寝。

 

続く

絹子の竹の子掘り

竹の子掘り、絹子久々の参加です。

「久しぶりだから覚えているかな~」

と言いつつ、それなりに様になっている。

ただ、今年竹の子を掘っている場所は竹やぶの近くで、土の表面に根が張りまくっているので、ものすごく難しい。

根が邪魔して、クワが入らない。

1本でものすごい時間がかかる。

ようやく掘り出した竹の子に笑顔の絹子。

気温が高かったこともあるけど、二人で汗だくになって1時間以上。

やっとこれだけ。

採れたてをかじる絹子。

「甘~い」

掘ったばかりはアクがなくて美味しいんです。

特権です。

「斉藤さん、掘ってきました」

「時間がかかった割にはこれだけか」

「もう根っこがすごくて」

「きれいに切っておいてやるから」

斉藤さんが下の部分を丁寧に切ってくれます。

斉藤さんが事前に掘っておいてくれた分も含め計25kgです。

「相場が下がってるから値段下げてやるから安く売れるだろ」

「ありがとうございます」

採れたて新鮮、めっちゃ美味しい竹の子。

今がお勧め!

 

 

黄色いカブで行く四国+しまなみ物語1

生産者さんを巡る「四国+しまなみ物語」長くなるので4回に分けてお伝えします。

 

僕が初めて四国をバイクでツーリングしたのは19歳の時。

その後、何度か四国を訪れた事はあるけど、いずれにせよ、まあちょっと前の話かな。

久々の四国ツーリングはもちろんお仕事。

3日間の予定なので、さすがに自分のバイクを持っていくことはできず、今回はレンタル。

大きな課題は予定と天気。

事前に飛行機の予約があるので、いつものように「明日天気が良さそうだから行こうか」「◯◯さん、今日います?」って訳にはいかない。

数週間前に晴れるかどうか予想するのは流石に難しい。

でも、仮に雨でも手段はバイク。

それは決めていた。

車での移動じゃ、それはただの出張。

仕事でもバイク旅気分は味わいたいかな。

と前置き(口実)が長くなったけど、いざ出発。

ありがたいことに成田-松山往復1万円。

でなければ、行こうって気持ちにはならなかったと思う。

松山空港からバスで市内へ、レンタルしてくれるバイク屋へ。

今回チョイスしたバイクはハンターカブ。

排気量125cc。

高速を使う予定もないし十分だろう。

イエローが目立ってなかなか。

しかもほぼ新車。

ラッキー!

松山を出発し、今治、そしてしまなみ海道を通り広島へ。

愛媛の今治から広島の尾道までいくつかの島を橋で繋いでいる高速道路。

その脇を原付きと自転車が通れるようになっている。

これはありがたいし楽しい。

が、降り出した冷たい雨。

寒い…。

橋の部分だけ側道を走り、島に降りたら一般道を走り次の橋へ。

通行料金は一つの橋に付き50円から200円で料金箱に勝手にお金を放り込んで支払うシステム。

結果的には迷うことはなかったが、事前の調べでは原付き道の入口が分かりづらいとの情報も。

が、ナビは使わない。

ナビは便利だけど、それに頼ると旅の楽しさは半減する。

地図と自分の感覚を頼る。

時には迷ってもいい。

迷ったら人に聞けばいい。

ワクワク、ドキドキ。

せっかくの旅だから、そこも味わって記憶に残る旅がしたい。

地図の旅、すごく楽しい。

桜がちょうど見頃だったが、小雨が降り続き、なんとか数枚写真を撮るにとどまり、先に進む。

瀬戸内海。

僕の母親の田舎が山口の海沿いで、子供の頃夏休みになると母親と帰省し毎日海に出かけた。

遠浅なので海水浴には向かないが、アサリなどの貝類を採ったりしたものだ。

その頃の記憶にある浜と同じ雰囲気。

砂質、そして香り、なんだか懐かしい。

サービスエリアで食べた鯛塩ラーメン。

これは美味しかった。

鯛のだしがよく効いたスープ、レモンがいいアクセントになってる。

トッピングに鯛、海苔とわかめも風味がしっかり。

冷えた体に染み渡る美味しいラーメン、ごちそうさま。

ついでにじゃこ天。

揚げたてアツアツで美味しい。

ここから広島県。

そして柑橘の島。

いたるところにレモンなどの柑橘が成ってる。

相変わらず小雨が続くけど、瀬戸内に来たなって気分で気分がいい。

今日の宿着。

近くにお寺。

明日の朝、行ってみようかな。

今日はこれから貝原さんと待ち合わせ。

 

続く

 

加藤さんの黒い米糠をどう使う?

3日間で四国と広島に行ってきました。

結構長くなるので、何回かに分けて、明日からお届けします。

白石さんから清見が入荷。

果汁多く皮が薄いので食べやすい。

甘さもあり、程よく酸味あって美味しいですね。

長崎から新玉ねぎも入荷。

ただ、ちょっと辛いですね。

みずみずしいけど、サラダでも水に晒した方がいいかも。

来週以降他の生産者探してみます。

さて、こちら加藤さんの米糠。

「黒米の米糠、精米して出たんですが、いります?」と加藤さんから連絡がありました。

精米した黒米のお米は、水飴の原料として出荷しているそうです。

なんか、灰みたいな米糠。

すみません、僕らも使ったことがないです。

糠床に入れる?

ご飯と一緒に炊く?

炒って食べる?

うーん…、どうなんだろう。

ただ言えるのは、アントシアニンの塊ってことです。

滅多に出ない糠なので、興味がある方はどうぞ。

 

斉藤さんの竹の子試食

今年も斉藤さんの竹の子が食べられて良かったです。

今日は採れたてを試食。

「面倒で」というお客様がものすごく多いですが、簡単です。

カレーや煮物を作る方が全然大変だと思います。

上を切って、縦に切り込みを入れておきます。

糠を入れて茹でます。

(加藤さんの無農薬の米糠、サービスで付けます)

沸騰したら弱火で。

このサイズなら30分位かな。

そのまま冷めるまで放置。

僕の場合、夜茹でて、朝までそのままって感じかな。

切ったところから皮がツルッと剥けます。

「どこまで食べられますか?」とよく聞かれますが、おおよそこんな形になるまでかな。

姫皮か柔らかいので食べられます。

茹でた竹の子は水に入れて、毎日交換すれば冷蔵庫で1週間くらいは大丈夫です。

ここまで、簡単でしょ。

あとはお料理に使うだけ。

醤油を付けて。

さすが、斉藤さんの竹の子って味わいと風味。

すごく美味しい♪

今まで他の方の竹の子も扱ったことがありましたが、やっぱり斉藤さんのが断然美味しい。

簡単に天ぷらも。

シンプルに塩だけ。

美味い!

味噌汁に入れてもいいし、煮物でも炒め物でもいいし、もちろん竹の子ご飯も。

斉藤さんの竹の子、お勧めです。

 

入荷情報。

11日(木)加藤さんの黒米の米糠入荷します。

 

初物!斉藤さんの竹の子

斉藤さんの畑に到着。

「竹の子、見てこいよ。いくらかあるだろう。菜花、採っておいてやるから」

「はい。見てきます」

と言ったものの、まだ早いのかなあ。

全然ない。

今日はみっちゃんいないし。

探して探して、やっと。

ありました。

まだ土から顔も出していないので、まず探すのが大変。

久々の竹の子掘り。

約30分でたったこれだけ。

「これじゃ商売にならないだろ」って言われそう…。

「おお、いくらかあったか」

「あまり出てないですね」

「おいらもさっき掘っておいたから」

「…。そうなんですね。ありがとうございます」

そりゃ探してもないだろう。

とりあえず計10キロ。

まだ少ないですが、斉藤さんの竹の子を待ってくれるお客様が多いので、良かったです。

菜花、今週はもうないかと思っていたけど、けっこう収穫ありました。

少し花が咲いていますが、柔らかいところだけ採ってくれました。

あとは種取りにするそうなので、これで最後になります。

竹の子は来週、もう少し多く採れる気がします。