行ってきました長野(高橋さん編)

もう一人、お会いしたい人はりんご農家の高橋さん。

昨年、お客様に紹介していただいた農家さんです。

一応、前日に電話したんですが、出られたのはお母さんのようで。

「あの、フレスコの星野です」

「はい?どちらの?」

「えっと…埼玉の。あのですね。いつもお世話になっておりまして」

「息子は出かけてていません」

「いつお帰りで?」

「キャンプに行ってるのかな?明日の昼にならないと帰らないと思います」

「そうですか、では明日。その頃、時間が合えばちょっとおじゃまさせていただきます」

とりあえず行ってみるか。

 

朝。

一番の朝風呂。

気持ちいい♪

宿の明るく元気でものすご~くよく話す関西出身のお母さんと、バーテンダーの息子さんが見送りに出てきてくれました。

「また飲みに来てくださいね」

「はい。また飲みに来ます!」

「お待ちしております」

とてもいい宿でした。

お昼まで時間があるので、志賀高原を走ります。

まだ紅葉には早かったけど、少し冷たい空気、天気も良く気持ちよかったです。

山を下りて、道の駅でお蕎麦。

初めて立ち寄った道の駅でしたが、さすが本場、どこもレベルが高いですね。

美味しかったです。

 

さて、高橋さん。

一抹の不安を抱えつつ、自宅に着くとお母さん。

「あの、昨日電話した星野です」

「どちらの?」

「えっと、息子さん、帰られてますか?」

「昨日稲刈りしたから、下で作業してるよ。行ってみるかい?」

「はい、せっかく来たんで行ってみます」

軽トラの近くで作業している人かな?

「こんにちは。高橋さんですよね」

「はい…」

「星野です。フレスコの」

「ああ…、お世話になってます…」

「すみません、急に来ちゃって」

びっくりするのは無理もないです。

お母さん、何も伝えてなかったみたいだし。

で、昨夜はキャンプじゃなくて何かの役員の打ち上げだったようです。

「畑、案内します」

「よろしくお願いします」

「今年は病気が多くて。りんごの数も少ないです」

「その病気って農薬使えば避けられるものなんですか?」

「いえ。農薬使っている農家でも出ているみたいです」

「原因はなんなんでしょうか」

「なんでしょうね。よく分からないんです」

「葉っぱを一枚一枚取って陽を当ててやるんです」

「大変な作業ですね」

「食べてみてください」

「あっ、美味しい♪」

「シナノスイートなんで酸味がないですね」

急に来たってのもあるけど、最初は少したどたどしい感じのやり取りでしたが、だんだん打ち解けた感じでした。

特に「バイクで来たんですね。自分も昔は乗ってて」なんて話から気があった感じ。

「何乗ってたんです?」

「昔のハーレーですね。もうずっと乗ってないけど、直してまた乗りたいな」

「いつかハーレーで店に来てくださいよ」

「行けたらいいなあ」

共通の趣味、いいですね、バイク。

高橋さん、りんご農家の3代目で、4児の父だそうです。

ちなみに僕より4歳年下。

「同じ世代ですね」

「ですね」

聞くと色々と大変なことも多かったみたいですが、とにかく会えてよかったです。

「りんご持っていってください」

「嬉しい。ありがとうざいます」

「足ります?」

「全然、そんなにいいですって」

秋映、たくさんもらっちゃいました。

高橋さん、ありがとうございました。

 

さて、帰るには少し時間が早いけど、改めて誰かに会いに行くには時間がない。

通り道だと…、そうか、丸山さんか。

「もしもし、今日いる?」

「こっち来てんの?今日はちょっと忙しくて」

「了解、また次回に。ところでりんごどうです?」

「全然ダメだね。虫の被害がすごいし、暑くてりんごが全然色づかないし。10月なのに真夏みたいだよ」

それでも秋映は出荷できるそうなので注文しておきました。

秋映、秋映…。

高橋さんと丸山さんの秋映、味はどうかな?

 

りんご情報。

本日、丸山さんの秋映入荷。

18日(金)森山さんのトキとジョナゴールド入荷します。

 

行ってきました長野(清水さん編)

久々の長野。

特に中野より北は今年初です。

今回、いつもの生産者さんではなく、お会いしたいと思っていた方を訪れました。

昨年秋の展示会で出会った無農薬で蕎麦やお米を作っている長野飯山の清水さん。

店舗は持っていませんが、週末を中心に貸店舗でお蕎麦を提供しているそうです。

「こんにちは、お久しぶりです。一年ぶりですね」

「遠いところわざわざ来ていただいて」

「バイクでツーリングついでに。とりあえず、お腹すいたんでお蕎麦食べようかな」

「どうぞ。好きなの選んでください」

お蕎麦天ぷらセットを注文しましたが、なんかサービスしてくれた感じ。

お蕎麦も美味しかったし、つゆがまた美味しいんですよね。

おにぎりや揚げたての天ぷらやお漬物とか、心のこもったお料理って感じでホッとします。

昨年の展示会ではフレスコでお蕎麦の取り扱いを希望されていましたが、諸々の事情でお断りした経緯があります。

それにも関わらず、夏は自分たちで育てたお野菜を送ってくれたり。

素敵な方です。

清水さんご夫婦は10年前に東京から移住され農業を始めたそうです。

「飯山は本当にいいところなんです。飯山を楽しんでいってください」

「はい。ありがとうございます」

お米、お土産にもらっちゃいました。

本当にありがとうございました。

ところで、新蕎麦収穫の季節。

帰り際「蕎麦畑見たいんですけど。場所、教えてもらえれば」

「えーっとですね…」

何でも離れたところに2か所あるらしく、なんとなく教えたもらった通りに行ってみました。

確か赤い橋を渡って、なんとかの家だっけ?

そこを目標にして、過ぎたら右で…。

でも完全に迷いました。

分かれ道だらけで、畑は色々あるけど、どこにいるのかも分からず…。

仕方ないので、もう1か所の畑に。

確か、国道を上って行って左に鉄塔があってそこを右に曲がって…。

ここですね。

今度は大丈夫でした。

見た目には花が咲いた時期がいいんでしょうけど、これはこれで意味がある。

この黒いつぶつぶが蕎麦の実なんですね。

明日から刈り取りだそうですが、刈り取った後に脱穀して、乾燥させて挽いて粉にしたのが蕎麦粉です。

清水さんの場合、蕎麦の実を天然の雪の室にしばらく寝かせ、甘みを引き出してから使用するこだわり。

手間と愛情ですね。

それにしても素敵な場所。

清水さんが惚れるのも分かる気がします。

夜はキャンプの予定を変更して野沢温泉の民宿。

野沢温泉に来るのは十数年ぶりかな?

もちろん、外湯めぐり。

熱いけどいいお湯です。

夜はお洒落なバーで。

なんて、僕がそんな所に行くはずもなく。

外で軽く食事を済ませ、その後は民宿の地下にある宿泊者限定のバー。

数百種類のお酒が並べられています。

それを格安で提供してくれる場所。

ウイスキーから日本酒から、ありとあらゆるアルコールが揃っています。

いい音響でジャズが流れる素敵な時間。

ここを担当するのは宿の息子さんで、元バーテンダー。

さすがお酒に詳しいし、お話も心地よい。

「いい時に来ていただいて。この一枚板のテーブルは先日入れたばかりなんです」

「すごいですね。これは高いでしょ」

「車一台買えるくらいです。父や奥さんとも相談して」

飲んだのは、ウイスキーじゃなくて、焼酎、泡盛、日本酒等々。

それぞれが数十種類も取り揃えています。

貴重なお酒も紹介してくれました。

途中でお父さんも参加してくれて、短い時間だったけど、人生の先輩、奥深い話ができました。

おつまみは柿の種を注文しましたが、銀座のどこかに行けばきっとすごい値段でしょ。

ここでは70円でした。

お酒色々楽しんで、千円ちょっとでした。

安っ!

 

続く

豊水梨始まりました

ぶどう、りんご、来週は柿、果物が充実してきます。

今日は長野高橋さんの豊水梨が入荷です。

昨シーズン、サンフジがすごく美味しかった農家さんですね。

豊水らしく、非常にみずみずしい。

程よく酸味があって、後味もさっぱり。

暑い日にちょうどいい味わいです。

さて、昨夜ですが、2泊3日で秋田に行っていた4人が帰ってきました。

絹子、よっしーさん、小野さん、浜野さん。

加藤さんのお米の収穫のお手伝い。

杭にかける天日干し。

かなりの重労働だったようで「天日干しが高いのには意味があることがよく分かりました」と口を揃えて言っていました。

男鹿のなまはげも見学したり、色々楽しんできたようです。

秋田の話はまた改めて。

お土産に大潟村の南瓜パイ。

現地でも超人気みたい。

それからいぶりがっこ。

もちろん無添加。

お願いしておいたなまはげラーメン。

後日の楽しみです。

 

入荷情報。

ただいま欠品しているキャベツの次回の入荷は21日(土)です。

本間さんの南瓜は来週入荷の予定です。

2つの展示会はハードでした

夏の展示会。

1日に2つの展示会はハードな気がしたけど、せっかくだからがんばって行ってみますか。

最初にアグリフード。

毎年行っている展示会です。

青森のりんご。

時期的にりんごの試食はなかったけど、なんか美味しい予感。

うちはりんごの農家さんは多いけど、更に層が厚くなるといいなあ。

試飲させてもらったシードル、美味しかったです。

桃とぶどう。

現状桃は丸山さん、ぶどうは小森さんに頼っていますが、天候で入荷がなかったり減ったりしているのがうちとしては課題。

いい出会いになるといいなあ。

本物のシャインマスカットのディスプレイに感動する絹子。

蜂蜜各種。

その中でも、うちの品揃えにはない海外のオーガニック蜂蜜に注目。

蜂蜜でオーガニック?

ふむふむ、説明聞いて納得。

値段も手頃。

なんか面白いかも。

もう、十年以上探し続けていたいちご。

もちろん、今は試食もないけど、特別栽培だし美味しい気がする。

念願のいちご、冬になったら注文します。

あんぽ柿。

これもうちの品揃えにはない商品。

秋になったら注文する予定です。

芋モンブランでおなじみ、南風さんの郷原さん。

では明日。

そして、いつもの加藤さん。

新商品は温めるご飯。

白米、玄米、赤米の3種。

今、パッケージを作成しているとか。

センスのいいヤツ、お願いしますね。

今回は忙しくて店に来られないとかで、また次回お待ちしています。

 

会場を歩いて歩いて、食べて飲んで、ああ時間がない。

次、行ってみよう。

隣の会場で行われていたシーフードショー。

こちらは既存の取引先の挨拶がメインです。

鰹の藁焼きはハマヤさん。

他にも鰹の藁焼きを出しているブースがいくつかあり試食しましたが、別物。

断然ハマヤさんのが美味しかったです。

素材良し、四万十産の藁、職人のテクニック。

改めてハマヤさんのこだわりを実感しました。

魚の缶詰は木の屋さん。

新商品は穴子ご飯、タコご飯等。

前の会社で僕の後輩だった木村社長は不参加。

次回はちゃんと参加して、店にも寄ってくれよ。

牡蠣やワカメでおなじみの末永さん。

新商品のサンプル送ってくれることになりました。

たらこや明太子でお世話になっている湊水産さん。

社長さんが無添加シリーズの新商品を案内してくれました。

サンプル送ってくれるそうで楽しみです。

こちらもおなじみ、灰干しの浜上さん。

新商品、と言うか、簡易包装のお得用。

これ、いいかも。

浜上さんも忙しいようで、展示会が終わったらその日のうちに鹿児島に戻るとか。

来年は店に来てくださいね。

 

アグリフードの方は事前に下調べして割りとスムーズに回れたけど、シーフードの方は会場が大きくて何がどこにあるのか全然分からず。

いやいや、かなり疲れました。

 

写真は撮らなかったけど、他にも名刺交換した生産者さんも多数。

この中からどれだけ店に商品が並ぶかな。

楽しみです。

 

スーパーカブで行く北海道6(帰宅編)

道の駅でソフトクリーム(400円)。

ちゃん無添加って書いてあった。

美味しい♪

だけど(しつこいようですが)本当に暑い…。

 

さて、空港に向かおうか。

でも、ちょっと時間が早い。

どこか涼しいところないだろうか。

と地図を見ていると渓谷っぽい場所。

行くと「クライマーの皆さんへ」と案内がある。

ロッククライミングで有名な場所らしい。

管理の小屋?におじさんがいたので「僕、全然クライマーじゃないんですけど、川に降りられる場所ありますか?」と聞く。

「危険な場所があるので、案内しましょう」

「すみません。わざわざ。いや、暑くて。どこか涼しいところないかなって」

「本当に暑いですね」

「ここは1億年前海だったんです」

「へ~。想像も出来ないですね。こんな山奥で」

「ここ降りると川ですが、ロープもないので気をつけてください」

写真だと分かりにくいけど、数メートルサイズの大きな岩がゴロゴロ。

これは…、足滑らしたら、絶対骨折だろ。

最終日に病院行きで、しばらく帰れないなんて、留守番しているスタッフに合わせる顔もないな。

気をつけてゆっくりゆっくり。

危険なので川まで下りず、途中まで。

いやいや、絶景。

だけど全然涼しくない。

とにかく暑すぎる。

その後、コンビニと道の駅でスタッフにお土産。

絹子からリクエストがあった鮭とば。

コンビニでもちゃんと無添加。

カレー好きなうっちーにはレトルトカレー。

何種類か味とパッケージのコメントが違うキャンプシリーズで並んでいて、美味しいかは知らないけど、かなり面白くて勉強になる。

レンタルバイク屋さんでカブを返し、最後の夕食は空港でラーメン。

そう言えば、毎日ラーメン食べていた気がする。

魚介のスープで、かなり美味しかったです。

今時、町のラーメン屋も値上がりしているので、空港で1000円ならむしろ安いかも。

あとは帰るだけです。

 

思い返せば19年ぶりの北海道ツーリング。

たった4日だったし、かつてのように旅って訳にはいかなかったけど…。

まあ、考えてみると、仕事が主な目的なので、贅沢は言えないかな。

北海道。

またいつか…。

 

ちなみに、4日間で約800km。

カブの燃費、びっくりの65km/1L!

スーパーカブ110、さすがに北海道ではパワー不足を感じたけど、それなりに走ってくれました。

時間があってのんびり旅する人にはいいかも。

 

終わり

スーパーカブで行く北海道5(若者とメロン編)

このキャンプ場で出会った人たち。

夜中まで焚き火を囲って語り合っていた地元美瑛のライダー。

ものすごく礼儀正しい長髪の若者と、かなりシャイな若者は幼稚園からの友だちだとか。

いいね、そういうの。

僕からすると若者と言っても、聞くと30歳過ぎだって。

でも二人共彼女なしって「友だちもいいけど、いい人とキャンプしろよ。楽しいよ」

「がんばります!」「は、はい」

いい連中です。

道内のライダー。

「今日がキャンプデビューなんです♪」と言う可愛らしい女性ライダーは帯広から。

懐かしいバイク、多分30年くらい前のモデル。

大切に乗ってね。

「北海道で美味しいもの食べました?」「もう帰っちゃうんですか?」

帰り際の「星野さん、またね~」って、何かよかったです♪

「シャツもジーンズも服装が同じっすね」と言う彼は千歳の近くって言ってたっけ。

女性ライダーのキャンプの先生だとか。

バイクは多分40年以上前のモデル。

「いいバイク乗ってるね~。XLでしょ」

「さすがですね」

「この歳になると古いバイクの方が詳しくて」

「少しオイル漏れてるけど、大事に乗っていきたいです」

かっこいい好青年って印象でした。

(皆さん、ブログ見たら連絡くださいね~)

 

今回北海道を走ってみて、かつて若者だったライダーが圧倒的に多い。(自分を含めてですが…)

昔から北海道来てましたって感じの、はっきり言っちゃえば、中年のおっさん。

ヘルメット取ったらみんなおっさんですよ。

それだけに、こうして若者のバイク乗りと出会えるって正直嬉しい。

目がキラキラしてるよね。

全てが新鮮に見える、きっとあの頃の僕らのように。

先輩面するつもりはないけど、若い時に旅した経験って何にも代えがたい貴重な体験。

必ず人生の糧になる。

今をたくさん楽しんでほしいな。

安全運転でね。

 

他にもキャンプ場で出会った人たちもいて、うちの店の商品送ってほしいとか(僕の北米ツーリングの本も入れておきますね)、九州から自転車で来た女性(毎日テントなしの寝袋だけ)の強者とか。

やっと楽しくなってきた北海道。

でも最終日。

帰らないと…。

空港に向かう途中、占冠。

道端に野菜の直売所。

なんかいいかも。

すると「こんにちは~」と農場の女性。

僕とほぼ同世代かな。

「よかったらどうぞ。無農薬のミニトマトです」

「ありがとうございます。いただきます」

「旅行ですか?」

「ですね。でも半分仕事で。こだわりの店やってて、いい商品探しつつ」

「いいですね~」

「メロンもよかったら。糖度を測るために収穫したばかりですけど」

まだ固いからと浅くカットしてくれたと思うけど、皮のギリギリまでかぶりついて食べました。

確かにまだ固いけど、後味もいいし、美味しいメロンの気がする。

「農薬とかは?」

「どうしてもメロンは病気がでるので2回だけ。JAに出してる農家さんは週に一度とか決まりがあるみたいだけど、うちは個人の販売なので、なるべく少なく」

「いいですね」

「これは全国から注文もらって発送する分です」

「人気なんですね。お値段は?うーん、ですよね。送料入れるとどうしても高くなっちゃいますよね。できればうちの店で販売してみたかったけど、難しそうかな」

「どうでしょう。たくさん採れて少しお安く出せる時期が来たらご連絡さしあげるとか」

「いいですか!全然OKです」

こんな感じで、取り扱いは未定ですが、少し期待しておいてください。

続く(次回最終回)

 

スーパーカブで行く北海道4(温泉とカニ編)

美瑛周辺を走ります。

景色はいいけど、猛暑が続く。

以前、スタッフ絹子が行って美味しかったと教えてくれた牧場のソフトクリーム。

確かに美味しかった。

美味しかったけど、600円は観光地価格だよな~。

せっかく来たから食べたけど、次は行かないな。

後日、絹子も「そんなに値上がりしたの!」とびっくりしてました。

花満開のじゃが芋畑。

収穫は1ヶ月ほど先でしょうか。

あるパーキングで、コンビニのカツ丼を食べているとツーリング中のおじさんが声をかけてきた。

「暑いのにこんな場所でお昼?あれ、札幌ナンバー」

「あっ、これ、レンタルなんです」

「レンタル?普段大きいの乗ってないの?」

「乗ってますよ。650cc。」

「…。よく分からない」

「今回4日間しか休みがなくて」

「それだとレンタルなの?」

「いや、往復の日数を考えるとそれしかなくて」

「…。全然分からない」

「いや、ですから」

「ん?君、どこの人?」

「あっ、僕、埼玉からです」

「あ~、そういうことか。てっきり札幌から来たのかと」

確かに自分も言葉足らずでしたが、ようやく理解してもらえました。

バイク乗りって、結構ナンバー見てますからね~。

早めにキャンプ場へ。

十勝岳に向かう中腹、それなりに標高があり涼しい。

このキャンプ場、初めて利用したけど、最高!

木の奥や右側にもサイトがあり、かなり広い。

人があまりいないので静か。

料金も400円と安い。

北海道だと結構当たり前だけど、ゴミはちゃんと収集してくれる。

ついでに、管理人さんがいい人。

そして、近くに温泉があって、キャンプ場で割引券もくれる。

管理人さん曰く「サウナも露天もある高級ホテルのお風呂が1200円のところ割引券で650円です。町営の小さいお風呂が300円のところ200円でお湯は熱いです」

「それは悩むなあ…」と言いつつ、実は全然悩んでいなかったりして。

割引200円の町営温泉一択です。

案の定の湯船ですが、泉質は良かったし、これで十分。

休憩室は地元のおじいちゃんとおばあちゃんのたまり場でした。

さて、夕食は花咲ガニ。

スーパーで1200円のが夕方に行くと半額で600円でした。

やや小ぶりだけど、一人だから十分。

花咲ガニ、昔は安いカニで、産地に行くと大きいのが1000円位で食べられたけど、今は数千円?

高級なカニになってしまいました。

地元のスーパー、使えます。

ちなみにカニ用のハサミは100均で購入。

いや~、久々の花咲ガニ、甘みがあって美味かった~!

スーパーの見切り品、全然OK!

でも、これだけで終わらない。

僕は知っている。

更に美味しい食べ方を。

食べ終わったカニの殻を煮て出汁を取り、そのお湯でインスタントラーメンを作ります。

スープ、美味っ!

カニの出汁、風味、いい味~!

キャンプでカニを食することがあれば是非お試しを。

ちなみに、出会ったライダーとかに振る舞うと人気者になれます。

続く

 

スーパーカブで行く北海道3(猛暑の富良野編)

初日の疲れもあったし、軽く二日酔い?

しかも、この時期の北海道、4時に明るくなる。

もっと寝たい…。

が、太陽が上がると、一気にサウナ状態になるテント内。

仕方なく起きて、富良野へ向かって走ります。

お昼近く。

お腹が空いて食堂でラーメン。

醤油ラーメン。

これもまた美味しかったです。

レンタルカブに乗ってのデメリット。

札幌ナンバーだし、全然旅人ライダーらしくない。

ただの地元の人っぽい。

考えた末、百均でバンダナ買ってミラーに巻く。

走ると、パタパタする。

少しは違うかな。

雰囲気大事。

富良野着。

暑い…。

めちゃくちゃ暑い。

気温33度。

しかも北海道では珍しく湿度が高くて蒸し暑い。

出会ったライダーは皆汗だくで「暑いですね」「堪えますよ」なんて会話ばかり。

60歳~70歳代?の高齢ライダーは口を揃えて「危険ですよ」「無理です、この暑さ」なんて感じ。

4日間、雨は降らなかったけど、とにかく暑かったです。

旭川の近くで有機のトマトを栽培している業者があると知り向かいます。

直売所があり、量り売りでトマトの直売あり。

ミニトマトも。

「美味しそうですね。無農薬で?」

「はい。結構人気なんですよ」

外のベンチで購入したトマトを試食。

かなり美味しい。

これはいいかも。

で、店長さんを呼んでもらって商談開始。

「あの、卸販売とかされてますか?」

「してますが、量はどれほどですか?うちは少量ではできなくて。コンテナ単位なら」と結果ロットが大きすぎることがネックに。

売店での売値ならそのまま出せるとのことだったし、送料を考慮してもまあ悪くない価格だったけど、ただ現地価格に上乗せしての販売って商売としては面白くない。

残念ながら断念。

まあ、よくあることです。

上富良野のキャンプ場着。

若い頃、何度も利用したキャンプ場。

全国からライダーが集まる。

それでもバイクブームだった当時からすれば、激減。

あの頃は、この駐車場に入りきれないほどのバイクが止まっていたっけ。

このキャンプ場には思い出がいっぱいあって、なんか懐かしいなあ…。

と言いつつ、とりあえずビール。

とにかく暑い。

夕食はジンギスカンに決めていました。

肉厚が嬉しい。

美味しかった~。

 

夜、キャンプ場裏の公園でラベンダーフェスタが開催されていて、暇つぶしに見に行きました。

ラベンダー畑がライトアップされ、音楽も相まって幻想的な雰囲気。

ちょっとしたショーみたい。

ファミリーやカップルばかりの中、僕は一人できれいなラベンダーを眺めていました。

おはようございます。

今日もちょっと眠いです。

一応、昼間のラベンダーも見ておきましょう。

早くも残り2日で、あまり遠出をせず、この辺を回ることにしました。

でもキャンプ場は移動。

ここ、あまりにも暑すぎる。

涼しいところに行きたい…。

続く

スーパーカブで行く北海道2(豪華過ぎの食事編)

本間さんの家から町に下って10分。

海沿いのキャンプ場にテントを張ります。

無料。

正式にはキャンプ場ではないようですが、地元の人たちがキャンプしています。

少し遅れて本間さん到着。

「なんか、色々持ってきたんじゃない?」

「そんなことないです」

「そんなことあるような気がするけど。まあ、今日はお任せするよ」

「まずは飲みましょう」

「クラッシック!飲みたかったんだ!北海道来たらこれに限るね。では乾杯!」

「乾杯!改めましてようこそ!」

「美味い!」

「ですね!」

最初に出してくれたのは、義理のお母さんが育てたきゅうりの漬物と、漁師の知り合いが海で釣ってきたマス。

「きゅうり、美味っ!いい味だね。マスも最高!脂に旨味がある」

「まだあるので、足りなかったら言ってください」

「なんか、色々出てきそうだけど」

「大したことないです」

知り合いの漁師さんからつぶ貝とホッケ。

そして鶏の手羽。

「この鶏、さっき見てもらった鶏です」

「え~!あの鶏!めちゃくちゃ美味い!噛めば噛むほど旨味が出る」

「ですよね。これ食べたらスーパーのブロイラーなんて食べられないです」

「ところで、鶏って誰が捌くの?」

「自分も出来ますけど、奥さんが普通にやります」

「すごいね」

しかも、固すぎないように一度圧力鍋で煮てから持ってきてくれました。

それからホッケも、すごい脂が乗っていて美味しかった~。

漁師さんが捕れすぎた時に、ニワトリの餌用に持ってきてくれるそうです。

「一応、餌用でもらっているんですけど、普通に食べられるので自分で干物作って冷凍しておきます」

「それはもったいない。こんなに美味いのに」

「漁師さんも売れなくて困ってるんで」

「これ、うちの店で売るよ。絶対売れるって」

「それは助かると思います。漁師さんに言っておきますよ」

それと、ニワトリの餌はホッケや本間さんの南瓜等を混ぜて「あいつら結構いいもの食ってるんですよ」だとか。

そしてこれ。

本場積丹、最高のウニ!

「まじで!いいの?本当に?これ、めちゃくちゃ高いでしょ」

「うーん、今日はそうでもなかったです」

ウニの値段はその日の相場で決まるようですが、特に今年は大不漁らしく、かなり高いようです。

現地でウニ丼を店で食べたら8000円なんて話も。

「美味っ!甘みあるね~!」

「全部食べてください」

「本当にいいの?嬉しい♪」

たっぷり入っていて、なんか一生分食べた気がしました。

「地酒いきましょうか」

「おっ、いいねえ。辛口大好き」

このお酒、かなり美味しかったです。

「そうだ。ご飯食べます?一応炊いてきたので」

「ご飯まで炊いてきたの?」

どこまでも気が利く男です。

でも、すでに満腹でご飯は無理でした。

「アヒージョ作ります。俺が作ったにんにく、それとじゃが芋も入れます」

「まだ作るの?でも、かなりマメだよね。よく言われない?」

「うーん…、たまに言われます」

「料理、好きだよね」

「まあ、好きですね」

聞くと、料理を学びたくて、東京の居酒屋で何年か働いていたことがあるとか。

「うちの食事は奥さんじゃなくて、毎日俺が作ります」

「そうなんだ。手際がプロみたいだよ」

急に冷えてきました。

「冷えてきたので、温かいもので。俺が作った白菜。それと豚肉を挟んで」

「すごいね。って言うか、もうお腹いっぱいだよ。こんなに食べられないって」

「全然、気にしないでください。残ったのは明日うちで食べるので。

実際、大量の食材を用意してくれて、5人分はありそうで、多くはお持ち帰り。

申し訳ないやら、ありがたいやら。

「焼酎、お湯割りでいいですか?ロック用に氷もありますけど」

「寒くなってきたら、温かいのがいいかな。って言うか、また一升瓶?飲めないでしょ、こんなに」

「明日、持っていきますか?」

「持っていきたい!けど、持っていけない…」

「ですよね」

コンロを出してやかんでお湯を沸かし、それを保温のポットに入れてって、やっぱりマメ。

ちなみに、料理を作っている間、本間さんはほとんど食べていない。

本当に料理人みたい。

「なんか俺、何にもしないで食べてるだけで」

「大丈夫です。その代わり、俺がフレスコさんに行った時は、何もしませんので」

「任せておいて!」

なんと、海で海水を汲んできて塩まで自分で作ってるとか。

「調味料は一通り自分で作ってみたくて」

「素材もいいよね。子供たちも喜ぶでしょ」

「子供たちには正しい食事させてあげたいんで」

「いいお父さんだ」

 

「いや~、本当にごちそうさまでした。全てが美味かった!」

「喜んでもらえてよかったです」

北海道の食材、本間さんの料理、最高でした!

「今日は本当にありがとう。今後ともフレスコの将来のためによろしく」

「こちらこそ、本間家のためによろしくお願いします」

最後にツーショット、そして固い握手も。

「じゃあ、寝ようか。って言うか、ここ片付けないと。これ、大変だぞ」

「大丈夫です。全部やるので、先に寝て下さい」

今日は早起きして、飛行機乗って、遅いカブで200km走って、ちょっと疲れていたせいもあり、お言葉に甘えてすぐに寝てしまいました。

本間さん、ありがとう。

続く

 

スーパーカブで行く北海道1(本間さん訪問編)

数年前から行けるかなあ…と考えていた北海道ツーリング。

今年の四国ツーリングで、格安飛行機+レンタルバイクは使えると感じ、今回もそのパターンを選択。

なんとか4日間の休みが調整できて、その中で楽しめればいいかなと。

格安の飛行機で新千歳空港へ。

空港近くのレンタルバイク屋にキャンプ道具を送らせてもらい、準備万端。

借りるのはホンダスーパーカブ110cc。

本当は四国で使ったハンターカブ125ccがよかったけど、これしか残っていませんでした。

中型以上の排気量は値段が倍になってしまうので、今回はこれで行きましょう。

初日、農家の本間さんを訪れるために積丹半島へ。

途中、北海道らしく牛さんにも遭遇。

快晴ではないけど、羊蹄山に続くじゃが芋畑。

いい景色があるとすぐに止まれるのが小排気量のいいところ。

でも、しばらく走って感じたのは、このバイク遅い…。

もちろんカブに過度なスピードは求めていないけど、上が伸びない。

登り坂ではどんどんスピードが落ちるし、アクセル全開でも車にはガンガン抜かれる。

割りとストレスなく走れた前回の125ccと今回の110ccの差は思ったより大きい。

スーパーカブ、やはりビジネス用の町乗りに適したバイクみたい。

朝、飛行機の時間が早かったので4時半起き。

ほとんど食べていなかったので空腹。

北海道で最初に食べたのは味噌ラーメン。

昔ながらの味噌ラーメンって感じで美味しかったです。

積丹半島。

海がきれい。

本間さん宅着。

出迎えてくれたのは元気いっぱい2人のお子さん。

「おじさんと一緒に写真撮ろうか」

8歳と6歳だったっけ。

大自然の中で伸び伸び育った子どもたち。

「遠くからありがとうございます。すいません、子供たちうるさくて」

「いやいや、元気が一番だよ」

「畑、行きましょうか」

「よろしく」

「車、汚くてすみません」

「いや、全然きれいな方だよ」

「実は掃除したんです」

「そんな、しなくたっていいのに」

「いえ、お客さん乗せるのに」

「どう?今年のミニトマトの出来は」

「出来自体はいいと思います。ただ、一週間くらい遅れてるかな。ずっと天気が悪くて」

「そうなんだ」

出荷はお盆前後くらいを予定しています。

今年も最高に美味しいミニトマト、期待大!です。

「土質は?水はけ良さそうな感じするけど」

「そう見えて、実は粘土質なんです。雨が降ると結構固くなって大変なんです」

「畑はみんな電気柵で囲っています。とにかく獣の被害が半端なくて」

「どんなのがいるの?」

「まず鹿。これは電気柵も超えます。あとはアライグマはひどいですよ。雑食なんでなんでも食べます。それと5年くらい前かな。とうもろこしもやっていたんだけど、熊にほとんどやられて」

「やっぱりいるんだ。熊」

「一度畑で遭遇したこともあって。その年に5頭駆除してもらって、あれからは近所では出ていないけど、怖いですよ熊は」

「だよなあ」

「とにかく獣対策が大変で」

「どこの農家さんも悩んでいるみたいだよ」

「ここは南瓜の畑です」

「かなり広いね。土作りは?」

「基本的には米ぬかと菜種粕です。何がいいのか模索しています」

専門的なことも色々聞いたけど、一番印象に残っているのは「今年で7年目なんですが、毎年1年生の気持ちでやっています」

その気持ち、すごく大切だと思います。

「ここ草だらけですが、その下に牛屋さんに分けてもらった牛糞があります。何年も寝かせて発酵させて混ぜてみたり。でも今年牛屋さんが辞めてしまって。大変なんでしょうね」

「僕の義理のお父さんが養鶏もやっていて」

「へー、ニワトリ飼ってるんだ。玉子?」

「はい、近所で販売しています」

「コココー!」

元気いっぱいのニワトリたち。

「もう一箇所、見せたい場所が」

「行ってみようか」

「義理のお父さんとお母さんが10年くらい前に立てた家です」

「すっごい素敵!」

「木も国産にこだわって作ったみたいです」

「いいね~。素晴らしい!」

ちょうど義理のお母さんとお会いできて「この景色に一目惚れしたんですよ」と話してくれました。

「素晴らしいですね」

本間さんは神奈川出身。

奥さんの地元がこちら積丹半島で、ここで農業を始めたそうです。

「無農薬で始めようと思ったきっかけは?」

「義理のお父さんとお母さんが無農薬で野菜を作っていたのもあります。俺自身は健康のためもあるかな。目標は好きなお酒を一生飲むこと。健康じゃないとお酒飲めないじゃないですか」

「確かに。いい考え方だね」

「今夜は一緒に飲みましょうか」

「そうだよ。そのために来たんだから」

「ですよね」

「ではまた後で。準備したら行きます」

続く