本間さんの家から町に下って10分。
海沿いのキャンプ場にテントを張ります。
無料。
正式にはキャンプ場ではないようですが、地元の人たちがキャンプしています。
少し遅れて本間さん到着。
「なんか、色々持ってきたんじゃない?」
「そんなことないです」
「そんなことあるような気がするけど。まあ、今日はお任せするよ」
「まずは飲みましょう」
「クラッシック!飲みたかったんだ!北海道来たらこれに限るね。では乾杯!」
「乾杯!改めましてようこそ!」
「美味い!」
「ですね!」
最初に出してくれたのは、義理のお母さんが育てたきゅうりの漬物と、漁師の知り合いが海で釣ってきたマス。
「きゅうり、美味っ!いい味だね。マスも最高!脂に旨味がある」
「まだあるので、足りなかったら言ってください」
「なんか、色々出てきそうだけど」
「大したことないです」
知り合いの漁師さんからつぶ貝とホッケ。
そして鶏の手羽。
「この鶏、さっき見てもらった鶏です」
「え~!あの鶏!めちゃくちゃ美味い!噛めば噛むほど旨味が出る」
「ですよね。これ食べたらスーパーのブロイラーなんて食べられないです」
「ところで、鶏って誰が捌くの?」
「自分も出来ますけど、奥さんが普通にやります」
「すごいね」
しかも、固すぎないように一度圧力鍋で煮てから持ってきてくれました。
それからホッケも、すごい脂が乗っていて美味しかった~。
漁師さんが捕れすぎた時に、ニワトリの餌用に持ってきてくれるそうです。
「一応、餌用でもらっているんですけど、普通に食べられるので自分で干物作って冷凍しておきます」
「それはもったいない。こんなに美味いのに」
「漁師さんも売れなくて困ってるんで」
「これ、うちの店で売るよ。絶対売れるって」
「それは助かると思います。漁師さんに言っておきますよ」
それと、ニワトリの餌はホッケや本間さんの南瓜等を混ぜて「あいつら結構いいもの食ってるんですよ」だとか。
そしてこれ。
本場積丹、最高のウニ!
「まじで!いいの?本当に?これ、めちゃくちゃ高いでしょ」
「うーん、今日はそうでもなかったです」
ウニの値段はその日の相場で決まるようですが、特に今年は大不漁らしく、かなり高いようです。
現地でウニ丼を店で食べたら8000円なんて話も。
「美味っ!甘みあるね~!」
「全部食べてください」
「本当にいいの?嬉しい♪」
たっぷり入っていて、なんか一生分食べた気がしました。
「地酒いきましょうか」
「おっ、いいねえ。辛口大好き」
このお酒、かなり美味しかったです。
「そうだ。ご飯食べます?一応炊いてきたので」
「ご飯まで炊いてきたの?」
どこまでも気が利く男です。
でも、すでに満腹でご飯は無理でした。
「アヒージョ作ります。俺が作ったにんにく、それとじゃが芋も入れます」
「まだ作るの?でも、かなりマメだよね。よく言われない?」
「うーん…、たまに言われます」
「料理、好きだよね」
「まあ、好きですね」
聞くと、料理を学びたくて、東京の居酒屋で何年か働いていたことがあるとか。
「うちの食事は奥さんじゃなくて、毎日俺が作ります」
「そうなんだ。手際がプロみたいだよ」
急に冷えてきました。
「冷えてきたので、温かいもので。俺が作った白菜。それと豚肉を挟んで」
「すごいね。って言うか、もうお腹いっぱいだよ。こんなに食べられないって」
「全然、気にしないでください。残ったのは明日うちで食べるので。
実際、大量の食材を用意してくれて、5人分はありそうで、多くはお持ち帰り。
申し訳ないやら、ありがたいやら。
「焼酎、お湯割りでいいですか?ロック用に氷もありますけど」
「寒くなってきたら、温かいのがいいかな。って言うか、また一升瓶?飲めないでしょ、こんなに」
「明日、持っていきますか?」
「持っていきたい!けど、持っていけない…」
「ですよね」
コンロを出してやかんでお湯を沸かし、それを保温のポットに入れてって、やっぱりマメ。
ちなみに、料理を作っている間、本間さんはほとんど食べていない。
本当に料理人みたい。
「なんか俺、何にもしないで食べてるだけで」
「大丈夫です。その代わり、俺がフレスコさんに行った時は、何もしませんので」
「任せておいて!」
なんと、海で海水を汲んできて塩まで自分で作ってるとか。
「調味料は一通り自分で作ってみたくて」
「素材もいいよね。子供たちも喜ぶでしょ」
「子供たちには正しい食事させてあげたいんで」
「いいお父さんだ」
「いや~、本当にごちそうさまでした。全てが美味かった!」
「喜んでもらえてよかったです」
北海道の食材、本間さんの料理、最高でした!
「今日は本当にありがとう。今後ともフレスコの将来のためによろしく」
「こちらこそ、本間家のためによろしくお願いします」
最後にツーショット、そして固い握手も。
「じゃあ、寝ようか。って言うか、ここ片付けないと。これ、大変だぞ」
「大丈夫です。全部やるので、先に寝て下さい」
今日は早起きして、飛行機乗って、遅いカブで200km走って、ちょっと疲れていたせいもあり、お言葉に甘えてすぐに寝てしまいました。
本間さん、ありがとう。
続く